2017年7月17日月曜日

Future of Lotus

「autocat geely lotus」の画像検索結果

今年、Lotus は大きな転換期を迎える事になった。

82年に 創業者 Colin Chapman が急逝して以降、ロータスの経営は深刻化の度合いを増し、
紆余曲折を繰り返した。 93年には Bugatti を所有していた イタリアの実業家である Romano Artioli に
経営を委ねるも ブガッティは95年に破産、ロータスは 96年からマレーシアの Proton の傘下となる。

これに前後して ロータスは 95年のフランクフルト・ショーで "Elise" を発表、
翌96年から販売を開始し、その革新的な構造で Seven, Elan 以来の成功を納める。
今思うに、この時期も ちょっとした転換期であった。
(ちなみに、日本の エリーゼの輸入一号車は 筆者が輸入している。
  英国のロータス・デーラーに配車が始まった わずか一週間後には、私共のストックヤードに
  最初のエリーゼが到着していた。 つまり 私は エリーゼの発売開始3年前から、
  その到来を察知し、準備をしていたからだ。
  また 80年代後半から再生産を開始した Ginetta G4 と G12 の新車も、日本では 我々が
  独占的に販売を開始している。)

さて、当時 Elise を手にした プロトンは、今日まで 比較的順調にロータスの舵取りをしてきたが、
Elise 以降の Exige や Evora を含めても、フラグシップだった Esprit も無い状態では、
やはり 少ない持ち駒での経営は上手くいかず、プロトン自身が行っていた 自国マレーシアでの
自動車販売の不振から、2012年に 同じマレーシアのコンソーシアムである DRB-Hicom が
プロトンを傘下に収める事になった。
それに前後して DRB と Proton の間で、ロータスの去就が取り沙汰されるようになる。
[Lotus, in these years]

そして 昨年末から今年2月にかけて、中国の浙江吉利控股集団 (Zhejiang Geely Group Holdings Co.Ltd.) が英国の Lotus Cars を取得するという噂が浮上、3月には Geely 自身がその事実を
公表した。 5月には その動きが本格化、7月中に買収を完了させる予定だ。
www.independent.co.uk/news/chinas-geely-rejects-reports-of-plans-to-buy-lotus-commits-to-investment-in-britain-post-brexit-a7393696.html  [2nd November 2016]

www.autocar.co.uk/car-news/industry/lotus-could-be-bought-geely-psa-group-taking-over-proton [20, Feb.]
www.bloomberg.com/news/articles/2017-03-03/geely-chairman-says-he-plans-to-drop-bid-for-lotus-cars-owner [3rd Mar.]

www.bbc.com/news/business-40025275   [24, May]
https://malaysia-bodoh.com/2017/05/25/najib-sells-another-national-asset-to-china-geely-buys-49-9-of-proton-from-drb-hicom/  [25th May]
www.financetwitter.com/2017/05/good-riddance-najib-sold-mahathir-junk-proton-british-jewel-lotus.html  [26,May]

「geely lotus」の画像検索結果

今回の買収劇は、主に中国の浙江吉利控股集団と DRB-Hicom の間で行われ、DRB 傘下の
Proton の株式の 49% を中国側が買い受け、DRB は 51% をキープして マレーシアの面目を
保つ事にする。  [around DRB-Hicom & Lotus]
そして Proton が 100% 保有しているロータス株の 51% を Geely が買い受け、
Geely によれば、英国 Hethel の Lotus 本社工場の設備と生産ラインは残しつつ、
英国生産も続けるが、浙江吉利控股集団 傘下の 吉利汽車(Geely Automotive) でも
Lotus 車の生産を行うと言う。 恐らく車種により住み分けを行う事になろう。
例えば 既に生産予定を発表している Lotus SUV を中国で生産し、日本やアジア市場を
狙うかも知れない。 主力車種の Elise や Exige についても、中国生産分もあるかも知れぬ。

Geely 側の狙いは、ロータスの持つ高度な車輌技術、とりわけ軽量化と少量生産についての
ノウハウの習得と、それらを Geely の既存車種にも転化する流れだろう。
勿論、軽量化に伴うハンドリングの技術も外さないだろうから、今回の買収は Lotus Engineering を
含めた Group Lotus plc. の全体を取得する事に違いない。
未だ世界レベルに達していない中国車のレベルを、早急に引き上げるのを目的とする事だ。
http://www.lotuscars.com/about-group-lotus

以上 我々としては、かっての MG や Rover の様に、Lotus が中国に埋もれてしまわない事を
願うばかりだが、既に Volvo Cars や London Taxi を傘下に収めている Geely は、
本国生産やパーツの住み分けを効率的にやっている様にも見受けられるので、
今回の Lotus に関しても、同様な手法を取ることが出来る可能性は高い。
これらの点に於いては、今回の買収を評価したい。

Lotus Engineering
但し、日本的に考え得る一番の問題点は、果たして中国製のロータス、もしくは中国の息のかかった
ロータス車を、日本のユーザーが どう想うかである。
世界的にも 中国車や韓国車が売れてないという点では、日本は突出している。
日本国内には これらのデーラーの所在は皆無だ。
例えば英国では、Hyundai のデーラー網はかなり普及しており、時たま街中でも車輌を見受ける。
[Hyundai in UK]

これら一番の原因は、両国とも 未だに歴史問題を政治カードとして頻繁に持ち出す事で、
日本の一般民衆との感覚的なギャップは 計り知れないものがある。
今さら日本に帝国主義が蔓延(はびこ)るなんて誰も考えてないし、日本が戦争に向かうなどと
誰が思うか。 日本の一部の政党も、これらを題材に民衆を煽(あお)る事を すべきでない。
世界の非常識たる海洋進出を止めない限り、日本で中国車が売れる事はない。
同様に、いまだ慰安婦問題を蒸し返す韓国製のクルマを "喜んで" 買うハズがなかろう。

願わくば 日本メーカーがロータスを買収して欲しかった。
確かに ロータス程度の技術は、日本メーカーにとって さしたる魅力は無いかもしれない。
でも、そう考えるのは大きな間違いだと思う。

確かに ロータスは今どきローテクだ。 Hethel の工場を視れば、一目瞭然の事である。
でも そんな事はどうでもいい。 大事なのは ロータスの歴史とブランドである。
これは 日本には絶対に無いものなのだ。 安い買い物だったに違いない。
日本のメーカーは 驕(おごっ)てはいけない。 日本の大衆も同様だ。
安全で、エコで壊れないクルマを創ればいいってもんじゃないだろう。
少なくとも 我々が想うような魅力的なクルマは、日本には皆無だ !!

広い意味で 世界はグローバルな時代だから、ロータスがどこに行こうがかまわないが、
少なくとも、自身のプライオリティーを失うことなく、ロータスが持つ本来の姿と理念を
貫いていかなければ意味がない。 " ロータスはロータスでなくてはならぬ。"
ポルシェでもフェラーリでもない姿が有るハズだから。

さあ どうする、......... Lotus !!