よくある英国製のキット・カーで、Subaru Boxer エンジンを積む。
これらは もちろん、キットで買う事も出来るし、面倒くさいヒトは、
完成車で購入すれば良い。 キットだと、自分で仕上げるのには、
慣れない事もあって、多分 100~200時間は必要だろう。
キットで買う場合、気をつけなければいけないのは、
一見、ずいぶん廉い様に感じるが、その価格は、ボディー・キットだけだったり、
せめてサスペンションとタイヤが着いて、転がるだけだったりするし、
エンジンが別なんてのは 通常の話だから内容をよくチェックしなければいけない。
更に、メーター類やヘッドライト、配線キットや ネジ類に至るまで、
全部自分で揃えなければならなかったりするので、イギリス在住だったらまだしも、
日本で組むには、相当の覚悟が必要となる。
運よく完成しても、実は 大問題が待っている。
完成したクルマ、もしくは完成車で輸入したクルマを、そのまま 日本の車検場に
持ち込んでも、絶対に ! 車検は合格しない。
日本の場合、まず、"規定の" 排ガステストを受け、日本の保安基準に
合致するように "改善" をして、一台ずつ、車検場のラインでチェックをうける。
場合によっては、矢田部に持ち込んで、ブレーキ・テストや別途、クラッシュ・テストも
必要となり、個人が、一台だけ輸入した場合には、殆んど不可能なことも有り得る。
だから、完成車だろうが、キットだろうが、現地で購入する段階から、
我々業者に相談すべきだ。 通関の方法も異なるので、絶対に個人で
輸入してしまうのは 避けるべきで、とても余計な出費をしてしまう事になる。
英国やアメリカ等の場合、この手のクルマに対しては、登録の際には、
少ロットのクルマの登録に対して、特別枠が有ったりするので、余分な費用や
手間はかからない。それでも この御時世で、排ガスチェックが厳しくなったり、
余計な手続きが必要になってきて、費用もかさむようになったらしい。
それにしても、日本より遥かに楽である。
要は、何かあったら 個人で処理する問題で、個人の趣味や楽しみ方にまで、
国や役所は、口を挿まない。 当たり前と言えば、当然のことだ。
だから、日本のユーザーは、この為に、50~100万円近い出費をしている
のをご存じだろうか。 一部の特殊なクルマの場合は、それ以上だ。
年に数日しか走らない様なクルマでも、カローラやシビックと同等の基準が
要求されてしまう。もちろん、大気汚染には これっぽッチも影響しないだろう。
そんなワケで、日本製のキット・カーは存在しない。
でも、イギリスにも、アメリカにも、各々100以上のメーカーがあり、
その出来栄えもピンからキリだが、20万,30万円~数千万円まで、
キットカー・ショーに行くと、見た事もない様なクルマ達が
百花"総覧"状態で目を楽しませてくれる。 どちらがいいかは、言うまでもない事だ。
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