2017年5月9日火曜日

THE ORIGINAL REMASTERED

 automobilemag.com
2 David Brown Automotive Mini Remastered Front

時代は変わった。 Jaguar E-Type や GT40等に見られる Continuation Car。
ここ数年来、Vintage Car に対局する新しい手法で登場したクルマ達だ。
今回登場の Mini も 同様な意味で Continuation だが、ここでは "REMASTARED" と言う。
楽曲ではないから、今どきのデジタル・リマスターという訳ではない。
バーチャルではない、実際に乗って 自ら体感できる実車である。
しかも、その体感は ただモノではない。

いや、そんな説明では 一体 どんなクルマなのか 意味が判らない。
"リ・マスター" の言葉の通り、古い時代のクルマを "焼直して" 本来の持ち味を生かしつつ
当時の本物のクルマを さらに昇華させたと言うか、高度にバランスさせて、
今どき十分納得できる性能と走りを実現させているクルマのことだ。
つまり 判り易く言えば、壊れずに ちゃんと、しかも安心して速く走れるという事だろう。
例え オリジナルの Lotus Elan や Honda S800 でも、当時のままでは ちっとも速くない。

しかし、それらの古い名車の持ち味は 捨て難く、リタイアして 時間にもカネにも余裕の有る
ジジイ達は、安心して乗れる "昔タイプ" のクルマが欲しいワケでしょ。
第一、その歳になって 途中で壊れたり動かなくなったら大変なことになる。
その状況を自分で処理するには、面倒くさいし 難儀をするに違いない。

それよりも 倍以上の値段だろうが、内装も歳相応にゴージャスで人にも自慢できる内容の
クルマだったら、鼻高々である。 大した知識も無い御仁には、さも 本物に見えるし、
本人にしてみても 何よりも安心して乗れるから、十分な満足感を得ることが出来る。


そもそも、フル・レストアしたピカピカの オリジナル・Mini MarkⅠは、
本家の英国で買い求めても、最近では 500万円をくだらない。
しかも そんなに速くないし、何時 壊れてもおかしくないシロモノである。
だから !?  "REMASTARED" が必要とされるのである。  1000万円は優に超えるけど。

さらに モノは考えようだ。 確かに こんなミニ・サイズで こんな高価なクルマは
滅多にあるもんじゃないが、新たな息吹を吹き込んだ "ブランドもの" だと思えばいいのだ。
だから そのクォリティーには 満足できるに違いない。
同じ手法で デザインもサイズも全く同様に復刻する事は、今どき さほど難しくはない。
でも、それなら 多少の不具合が起こる事を我慢してでも、オリジナルをフルレストアした
クルマを買った方が遥かに価値は高いし、それが正しい選択だろう。

しかし 倍の金額を払ってでも、"REMASTARED" を買い求める価値は有るのか !?
クルマは価値で乗るものか !?  それとも実用を求めるか ........ 。
こう考えればいい、 ...... 十分な価値を付与された 十分に実用に耐えるクルマ。

第一、こんな高価なミニが 日本では そう易々と売れるもんじゃない。
だから 自分にとって 唯一無二のクルマになるし、費用対効果は十分に満足できるハズだ。
そして オリジナル・ミニに対峙して 堂々と乗るべきである。


さてと、前置きが長くなったが、簡単に内容を説明しておくことにする。
あとは David Brown の "立派な" ホームページがあるから、ご覧頂きたい。
http://www.davidbrownautomotive.com/mini-remastered/

エンジンは 1275cc・オリジナルブロックを使う。 更に 限定版だが 1300cc も用意する。
さすがに エンジンまで新設するワケにはいかないから、4速マニュアルの変速機と共に
リ・コンディションする。 ボディーは 新しいボディーパネルを使うと言っているので、
おそらく既存で手に入るホワイト・ボディーを使っているのかも知れない。
サイズも ほぼオリジナルで、全長 3055mm・全幅 1470mm・高さ 1330mm だ。

「Mini Remastered Top Marques Monaco」の画像検索結果

REMASTERED のモデル・タイプは、ベーシックな 60bhpCafe Racer と呼ぶ 75bhp
1310cc・90bhp の Montecarlo の3種類だが、Cafe Racer と Monte は限定版とする。
気になる価格は各々 £84,000、£96,000、£99,000 だから飛び切り高い。
これを高いと思うかどうかは、上記に述べたとおりである。

David Brown は、Siverstone Circuit の入口を入ってすぐ左手に在る Silverstone Park に
この5月から 社屋を構え、既に販売を続けている Speedback GT とは別に、
この REMASTERED を年間50~100台生産する予定だ。 
http://silverstone-park.com/

そして 特筆すべきは その生産工程である。
Mini Remastered の一台は、延べ 1000時間に及ぶマン・パワーを要し、それとは別に
塗装工程にも約400時間の手間をかけると言う。 とてつもない懇切丁寧な作業をやってる。
これでは 軽く1000万円を超えるのは 仕方のない事で、納得せざるを得ない。

前代未聞、価値ある一台とは 此のことだろうか !?

https://www.autocar.co.uk/car-news/new-cars/mini-remastered-david-brown-launch-london-motor-show
http://www.joshua-s.com/icon-mini-remastered/

David Brown Automotive Modernizes The Original Mini