2011年3月21日月曜日

Singer 911


Singer 911

LA の Singer Vehcle Design がプロデュースする、古くて新しい PORSCHE 911

何が古くて新しいかと言うと、このクルマは単なるレプリカやキット・カーではなく、
98年まで続いた空冷フラット6モデルをドナー・カーとして、
ドア・パネル以外はボディーのほとんどの部分に手を加え、カーボンファイバーや
焼成したケブラー・ハニカムを多用して軽量化をしつつ、
リプレースメントを施しているものである。

但し、オリジナル・デザインは尊重するものの、古いクルマのレストアやチューニングとは違い
現代の感覚とレベルで、歯切れのよい確実な走行とフィーリングを体感すべく、
必要な個所は内外装とも新しいパーツに入れ替えたり、そのデザインを含め加工し直す等、
非常に手の込んだ施術を行っている。

例えば、ヘッド・ランプはあまり くどくない範囲で中身を新しくしたり、
ダッシュボードのデザインはそのままにして新しいメーター類に入れ替え、
骨格はカーボンだが、ビンテージ・デザインのラジオや レカロ・シート、 
MOMO のハンドルに加え、軽量加工されたエアコンやナビ・ システム、
更に i-Pod 接続や Bluetooth まで用意される。

エンジンは、空冷フラット 6 で、ほぼスタンダードの 360HP とチューニングされた 425HP の
2種類がチョイスでき、6速クロース・レシオと LSD を組み込んだ G50トランスミッションが着く。
0-60マイルは 3.9秒、最高速は270Km/h に及ぶ。

細部はリ・デザインされているものの、オリジナルの雰囲気は充分保ちつつ、
現代の名だたるスポーツカーと比べても遜色ない走りが可能な事を考えれば、
コストは それなりに高くつくが 納得できるものに仕上がっている。

完全オリジナルなレストアも、それはそれで とてもすばらしい事だが、
現行のスポーツカーと肩を並べて、同等の走りを求めるのは困難だ。
でも今回の結果を見れば、Singer のコンセプトは称賛すべきものである。

完璧なオリジナルを良しとするか、Singer の様に 新しいテイストも加えつつ、
納得できる走りを両立させるか、その選択は各人の"主義" にゆだねられることであるが、
今後も この 911 に限らず、同様のレストレーション、と言うよりも、
リノベーションされた旧車が出現するのではないだろうか。

クルマの購入を検討する上で、今迄にないレベルの考え方として、
この様なクルマを範疇に考えるのは、とても前向きで いいことであろう。
新しい世界が広がるに違いない。

さあ、あなたも検討すべきだと思います。 お手伝いしますよ !