ケーターハムは 先週金曜日(20日)に "Aero Seven Concept" を公表し、
トニー・フェルナンデスのお膝元、昨日のシンガポールGP の会場で ケーターハムF1の
元ドライバー、コバライネンらが同席して プレス発表を行った。もちろん、フェルナンデス自身も。
http://paultan.org/2013/09/20/caterham-aeroseven-concept-premieres-singapore/
http://www.youtube.com/watch?v=BoUAMAcHsXw
http://www.youtube.com/watch?list=UUn68HUuoX0gL_GtcQI3bSJA&v=hXgj14wum8s
これが、今月初めから流布されていた "Zenos" ということか。
現段階では"コンセプト" だが、今後開発を煮詰めて 2014年秋には発売にこぎつけたい意向。
これは CTI(Caterham Technology and Innovation)が中心となって開発を行い、
Catreham F1のJohn IIey をチーフとして、プッシュロッド式のフロント・サスペンションや
ダンパー、アンチロールバーやリアの独立懸架等、F1からの技術的なフィードバックに加えて、
Caterham Cars 自身のスキルの積み重ねにより クルマを完成へと導く。
既存のSeven CSR のシャシーをベースにカーボン・ファイバーを多用したボディーを組み併せ、
車重635Kg の" ロードカー " としてのリリースを目指すものだ。
この計画は、最終的に 2016年をメドに Alpine / Caterham の共同開発によるニューモデル
の実現にも リンクすることになるだろう。
エンジンは Caterham Seven 485 から流用する Ford Duratec 2リッターの自然吸気で
237bhp / 8500rpm を基本とするが、更なるオプションを含め 別バージョンのエンジンも
用意される可能性が有る。
Hingham に在る CTI で 開発されるエンジン・マネージメント・システムや、
Leafield のF1チ-ム からフィードバックされるトラクション・コントロール、
Bosh のアンチロック・レーキシステム等の組み合わせを加味し、
ステアリングに装着されたスイッチにより、"Race" と"Road"の2つのモードが選択でき、
Pit Lane Speed Limiter 等も装備される。
また、ダッシュパネルには、同じくCTI が 開発した、RPM やシフト・ポジション、トラクションや
ブレーキのセッティング、エンジン・オイルのレベル等、様々な情報が3Dで表示される。
足回りは フロント・ディスクに4ポットキャリパー、タイアは Avon CR500 で、
フロントは 6.5J×15、リアは9J×15のホィールに 各々195/45R15 と 245/40R15 の
タイアが組み合わされる。
"Aero Seven" の生産はダートフォードの現工場で行われるという。
(そんなに広くないけど、大丈夫か !?)
ケーターハムのマネージング・ディレクター、Graham Macdonald によれば、
今回の "Aero Seven" は これからの様々なニーズに合わせてケーターハムが開発を
予定するスポーツカー群の最初の礎えとなるものだと言い、これ以外のモデルも念頭に
置きながら 将来に向けて開発を進めていく事になる。 更なる発展が期待されるところだ。
実は これらの話には伏線がある ... 、 と想う。
つまり このクルマ、"A110-50" の存在には 忘れ難いものがあるからだ。
そもそも アルピーヌ・ブランドの復活話はここから (いや、もう少し前から)始まっている。
フェルナンデスは アルピーヌとの合弁を考えている最中に、"これはウチで出来る"、と
踏んだに違いない。 彼はいいものを見つけてしまった。
しかし、今回はまず、ケーターハム・ベースのクルマ "Aero Seven" を提案し、
次あたりにワンサイズ大きい この"A110-50" を眼中におさめているのではなかろうか。
更に フェルナンデスは、アジアに於けるシティーカーとSUV のマーケットを念頭に、
ルノー製の モジュール化したプラットフォームが有るのだが、その かなりの部分を利用した
クルマの開発も試みようとしている。 これについては ルノー側が主導するのではないか。
エンジンは多分 1.6リッター・ターボだ。
実は ロータスも ほぼ同様なことを考えていた。 彼はロータスに代って それを成し遂げるべく
考えているに違いない。 ということは、ここ5年位で やろうとしているのか。 3年かもしれない。
今回、アルピーヌ / ケーターハムの合弁に付き、フランス側のベース基地となるのは、
Dieppe にあるルノー・スポールのファシリティーだ。
ドーバーに面した この港町は、フェリーで対岸のイギリスの港 Newhaven に直結し、
そこからA26 と A21、さらにジャンクション5 からM25 を テムズの河口近く、ダートフォード
の工場に向かえば、船の時間も含めて 約半日で移動できる距離である。
しかも ジャンクション6 の北側には ケーターハムの街があり、駅前にショールームもある。
(ショールームは現在 ジャンクション7からM 23で 南に約15Km下った Crawly に移動している。)
今後 10年、20年先には、かってのロータスがそうであったように、
英国の小さなキット・カー会社は、スポーツカーの潮流を変える様な 大きなうねりに
発展するのだろうか ?