2013年9月15日日曜日

日曜日は ..... 、" Rocket !! "

      bloomberg.com/ss

このクルマの事を 忘れないで欲しい。  かの Gordon Murray が考案した" ロケット" だ。

69年頃、ブラバム・F1チームを擁していた 現 F1界のボス、バーニー・エクレストンは
マレーをチーフ・デザイナーとして迎え入れ、以後 マレーの際立ったセンスは ブラバムに
数々の栄光をもたらした。 86年に マレーはマクラーレンに移籍し、その後 約20年間、
F1カーを始め、名車となった McLaren F1McLaren メルセデス・SLR 等を手掛ける。
(現在 彼は " Gordon Murray Design " を主宰する。 Murray in Japan 

その間 マレーは 自身でも 小規模なプロジェクトを行っているが
元レーサーでもある Chris Craft と共に "Light Car Company" を立ち上げ、
92年に この"Rocket" を発表している。

当時の YAMAHA FZR1000のエンジンをドナーとし、米ワイズマンの副変速機を備えて
Hi-Low 2段とリバースを確保し、結果 前進10段・後進5段の特異なクルマが出来上がった。
ちなみに McLaren F1のトランスミッションも ワイズマン製を使用する。

ロケットは 縦タンデムの二人乗りで、後席のパッセンジャーは ドライバーを抱え込むように
着座し、足はドライバーの両脇に投げ出す格好になる。
僅か350Kg の車重で 145馬力ということは、まさに ロケット・スタートを彷彿し、
バイク・エンジン故にトルクがないので 発進には気を使うが、一度繋がってしまえば
その加速感は恐ろしく速く、まさにロケット並みなのである。

ロケットは 多分、最初の5年間くらいの間に50台位が生産されたと思う。 100台は無いだろう。
そのうちの一部は ヨーロッパで シリーズ戦を行っていた。
日本には 最初に Car グラフィック誌が テスト・リポート用に 緑のロケットを 自身で購入し、
しばらく "社用車" として使用、その後売却されている。 その次は 私の知人の白いクルマで、
3台目が ウチが持ち込んだ赤のロケットだと思う。 以後 5台を販売させていただいた。
他の分を含め、日本国内には20台弱が有るのではなかろうか。

ところで 私は 下記ビデオに映っている ロケットの小さな工房に出向いたことがあり、
訪れた時には 3台の新車が制作中であった。

その際 驚いたのは、ロケットのエンジンを2基つなげた、非常にコンパクトな2リッターの
V8が台上に鎮座し、横には そのV8用の、これまた とても軽くて緻密に仕上がった
スペース・フレームが置いてあった。 次はこのクルマを造るのだという。
簡単な説明用のパンフレットも貰ったが、今となっては そのクルマが何という名前だったか
思い出せない。 しかし 2度目に訪れた時には、野外で試走した際に あまりにも パワフル
だった為に クラシュして路肩の立木をなぎ倒してしまい、以後 計画はお蔵入りになった
のだという。 手製のアルミ・ボディーを纏った いいクルマだったのに !

今日、ロケットの話題を書くために発見した このビデオには、よ~く目を凝らして観ると
スタッフの後ろに そのV8と スペース・フレームが映っている。 奇遇だ。
[Rocket Factory]

そして今回、上記 赤のロケットが 検2年付きで販売に供される。 630万円を予定している。
新車当時は 800万円を超える価格で販売したように思う。 今となっては希少車だ。
英国でも、中古車は 思いのほか高い。  ちなみに ロケットはまだ、新車の発注が可能
なようだが、今は 倍近い値段らしい。(一千万円台後半。)多分 数年以内に製作は終わるだろう。
こんなクルマはめったに 有るものではないので、当ブログ・ユーザーに 是非手に入れて
貰いたいものである。 連絡を頂きたい。

それでは 日がな 日曜日と明日の連休、いい休日をお過ごしください !