2014年5月3日土曜日

New Lotus CEO / Jean-Marc Gales


Jean-Marc Gales, CEO, Exige S Roadster, Red, Hethel

Lotus の親会社である マレーシアの Proton Holdings BerhadDRB-HICOM を束ねる
役職にある Dato' Abdul Harith Abdullah は、昨日2日にコメントを発し、
5月1日付で、ルクセンブルグ出身の Jean-Marc GalesGroup LotusCEO として
着任させた旨、発表した。
2012年に、前職 Dany Bahar CEO が更迭されてから 空席であった以来の就任である。
Bahar 以降、現場は Aslam FarikullahCOO として統括していたものだ。
[DRB-HICOM]

Jean-Marc Gales は、2009~2012年まで プジョーとシトロエンのグループ企業である
PSA Peugeot Citroen(Groupe PSA)で その業績の向上に貢献し、その後2012年から
CLEPA(Europian Association of Automotive Supplieres・欧州自動車部品工業会)の
CEO として在籍していた。

また それ以外にも Daimler AG、GM、FIAT、VW 等の上級職としても活躍し、
かなり広範囲な経験を積んできたヒトである。 まだ51歳だ。
個人的にも London ・Imperial College の経営修士、ドイツ ・University of Karlsruhe
機械工学の修士号も取得するなどの俊英である。   [Lotus News]


ロータスは 昨年1180台の生産に留まり、約167万ポンドの損失を計上している。
2015年内には 4000台の売り上げを標榜するも、このままでは立ち行かず、
Gales は 着任当初から 難しい問題に直面することになる。
しかし DRBHarith Abdullah は、Gales の過去の実績を鑑み、
ロータスを復活へと導く彼の手腕に、絶大な期待を寄せている様でもある。

尚、これまで COOとして 現場でロータスを切り盛りしていた Aslam Farikullah は、
Group Lotus PLC の取締役会メンバーとして 残留する事になる。

Gales は 持ち駒の少なくなっているロータスで、どうやって その業績を伸ばしていくのか ?
Esprit の復活をも視野に入れつつ、自身の持ち味を最大限に ........
いや、それ以上のモチベーションで 臨まない限り、ロータスの将来は無いのかもしれない。

しかし ある意味 ロータスみたいな、自動車メーカーとしては小規模で特殊な環境の中で
生業(なりわい)をしている会社を、例え 業界で豊富な経験を積んできた Gales でも、
ストレートにその経験を生かし切れるものだろうか ?
そもそも、創業者 Chapman が描いたポリシーを踏襲しつつ、会社を拡大しながら
スポーツカー 一本でメシを食っていくというビジネスモデルが成り立つのか ?
机上の計算だけで 事を推し進めるのは、大きな間違いを犯すことになるだろう。
TVR みたいな例もあるし。 結構 難しい事ではなかろうか。


そう考えれば、前任者 Bahar が実行しようとした事は、
一つの方向性として やってみる価値はあったのではないか。  [Bahar → Lotus]
確かに 一部 派手な振る舞いやカネ使いの粗さもあったかも知れないが、
フェラーリやプチ・ポルシェを目指しつつも、ロータス独自の色着けをしながらの行動は、
あながち間違いではなかったのかもしれぬ。
少なくとも 彼は、そうする事が 世間の目で見て どの様に映っているかを計算しながら、
彼なりの勝算を抱きつつ 、一つ一つのプロセスを実行していったのではないか。
今迄のロータスにはなかった行動を起こしたのも事実で、斬新だった。
ロータスという脆弱な母体を、短期間のうちに成功へ導くという正解だったのかもしれない。

さあ、どうする ....... ロータス !?