2015年10月15日木曜日

MG Abingdon Edition nearly £100k

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MGB from Frontline Developments

£95,874 - のMGB。  Abingdon-on Thames にある Frontline Developments が造っている。

そもそも MGB は、1955年に始まった MGA の後継機として "BMC B-Type Engine"
1.8-liter 95hp を積んで 62年から80年まで生産され、6気筒の MGC、65年に登場した
Hatch・back ボディーのMGB GT に V8 を積んだモデルも含め、
シリーズ全体で52万台を超す数が生産された。
Lotus Elan と共に、英国を代表するスポーツ・モデルとして、日本のスポーツカー文化にも
多大な影響を与え続けた。

10万ポンド近い MGB なんて考えにくいが、でも 話を聞くと ほぼ納得できる。
これは新車だ。 但し、オリジナルを崇拝する向きには、お奨めできないかも知れない。
つまり、オリジナルをレストアしたものではないからだ。 しかも 馬力は 304bhp である。
ボディーをはじめ、各部は 新たに用意した新品パーツを使う。
もちろん、その304馬力に耐える爲である。
youtube.com/watch?v=_Bmqa753OH8


さて、件(くだん)の MGB Abingdon Edition は、Frontline が ここ10年ちょっと、
新たに企画した MGB のロードスター・モデルである。 新品のホワイト・ボディーを使う。
エンジンに関しては、従来から MX-5 用の 2-liter を Omex の手で 2.5 liter にスープアップし、
鋳造ビレットのクランクとコンロッド、鍛造ピストンを用いて 304馬力まで強化した。
www.autoblog.com/2015/10/12/xcar-mgb-frontline-developments-video/
youtube.com/watch?amp;v=DhSJxY-JyjE

Frontline は この2月に開催された London Classiccar Show にも出展している。
frontlinedevelopments.com/london-classic-car-show-2/
彼らの工房は Oxford の南15Kmにある Abingdon-on Thames に在る。
当ブログでも ちょうど4年前に リポートしている。
britishgreenyokohama.blogspot.jp/2011/10/new-mgb.html

尚、昨年同時期の Autocar のリポートでは、Mazda 6(アテンザ)の2.5 liter / 167bhp を
304bhp に上げて使用すると記載されているが、2012年までの L5-VE型か それ以降の
PY-VPR型だろう。 恐らく チューニング向きには前者を使ったのかも知れない。
米国向けの Mazda 6 i Sport Sedan に搭載したものだろう。 これに 6速マニュアルをセットした。
でも、MX-5 用の Omex チューニング版が正しいのかも切れないけど。 

近年、生産開始から50年を超すようになった当時の旧モデルは価格が高騰する様になり、
Mini MK-1 に至っては、英国本土でも 完璧にレストアされたモノは、500万円近い値段が
付くようになってしまった。 ミニ以外でも 概ねこの様な状況になりつつある。
50年の歳月により 十分ヴィンテージとして成立し、今後 これらの車の価格は下がる事はなく、
高騰するばかりであろう。

そして、Flontline の MGB に限らず、Continuation Model として Superformance の GT40、Cobra
Jaguer E-Type を創る Eagle や、Superformance の GT40、Cobra 等、また ドナーを用意して
そこからスタートする米国の Singer が創る Porshe 911 など、最新のスペックで最高の性能を
醸し出すクルマが生まれる様になった。
Frontline Developments MG Abingdon Edition. Images via Fronline Developments.

birminghampost.co.uk

残念ながら、オリジナル・ヴィンテージカーは 当然ではあるが その走りは 遅い。
しかも、コンディションのいいものは相当に高価な状況になった。
そういう意味では、日本でも Honda S600、S800 などに於いて、コンティニュエーションを造れる
資力を持つクリエーターが 有り得ないという状況は、残念でならない。

事(こと)クルマに関して、これほどの生産量を誇る日本が、この様なコンティニュエーションを
用意する事が出来ないのは甚だ遺憾だ。 日本の自動車文化が、いまだ成熟していない証しか。

そして、イギリスを侮ってはいけない。 彼らは 日本には無い興味深いモノを山ほど持っている。
私は これ等に 人生の後半を尽力してみようと考える。
興味が尽きる事は無い !  イギリスは美味しい !!