2014年6月27日金曜日

the "Ace"


Ariel Ace Motorcycle
[Engine]
76 degree 1237cc Unicam V4(Honda VFR1200)
Bore・Stroke / 81mm×60mm
Power  173BHP @10,000rpm
Torque 131Nm @8750rpm

[Gearbox]
6 speed manual sequential
Option / DCT switchable auto with sport and manual push button control
Switchable traction control

[Fuel Tnak]
Option A / 14.1 litres
Option B / 18.6 litres
Option C / 21.3 litres

[Exhaust]
Stainless steel exhaust, option of Silencers

[Chassis]
Anodised machined anodised and welded aluminium frame
Adjustable rake angle 21.8 degrees - 28.4 degrees

[Suspension]
Option A / Ariel Girder with Ohlins TTX damper / Front
       Adjustable compression, rebound and spring preload
Option B / Telescopic forks / Front
       Adjustable compression, rebound and spring preload

Pro link single sided swing arm / Rear
       Adjustable compression, rebound and spring preload

[Braking]
Front / Twin 320mm floating discs with Nissin 6 piston radial callipers
Rear  / Single 276mm floating disc with Nissin 2 piston sliding calliper
Electronic ABS Front & Rear

[Wheels]         [Tyres]
Front / 17×3.5     Front / 120/70 ZR17
Rear  / 17×6.0     Rear  / 190/55 ZR17

[Instruments]  Digital LCD display with datalogging capability and gear indicator
[Lighting]  LED headlamp, LED brake/stop lamp, LED indicators
[Bodywork]  Carbon fibre Composite

[Seat Height]       [Wheelbase]
A / 745mm         A / 1541mm
B / 784mm         B / 1552mm
C / 825mm         C / 1563mm

[Performance]
0-60mph / 3.4 second
Top Speed / 165mph(265kph)


さて、"Ariel " の名は 1870年に見つけることが出来る。
但し、これはバイクではなく自転車で、この時初めて自転車にワイアー・スポークが
採用され、この自転車に Ariel という名が附けられたものだ。
日本が明治になってすぐ、今から150年近くも前の事だ。

1896年、2馬力強で 初のエンジン附き三輪車の製造が始まるが、
これが アリエルの名がつけられた 最初のエンジンつき乗り物である。
そして 1900年には、早くも 4輪車の生産と 2輪バイクの生産(1902年)も 始まった。
このころの2輪バイクは、自転車の車体にエンジンを附けた様なものだ。
(日本でも第二次大戦後、"自転車オートバイ " なるものが出現して 急速に拡販され、
現在の "ホンダ " は この辺からスタートし、その後TT レースに参戦、急成長している。)


[Old Ariel Bike]

そして 第一次大戦後、とりあえず 会社は バイクの生産を再開、
1926年からは 4輪をやめてバイクの生産に専念する。
(当時、アリエルの 4輪車生産は 1900~1915年 と、1922~1925年 だけである。)

それから 会社は 紆余曲折の後、Jack Sangster が 1930年初頭に 
"Ariel Mortors " の名を正式に採用して 社名変更し、社業に邁進した。
そして 同社の製造した Ariel Square Four (31年~)や Red Hunter (32年~)等の
販売が好調に推移し続ける。
Square Four は 第二次大戦後も すぐに再開され、そのフロント・フォークは、
戦前型のガーター・フォークからテレスコピックに変更されている。
その後 Square Four の生産は、50年代中頃まで続いた。)

その間 Sangster は、1936年に トライアンフの2輪車部門も買収した。
更に Sangster は、トライアンフを BSA(Birmingham Small Arms Co,Ltd) に売却し、
BSA Groupe を成し、第二次大戦後、1956年には BSA の会長にもなっている。
このグループには、BSA、Triumph、ArielCarbodies(ロンドン・タクシーで有名)等が
含まれていた。

しかし、60年代から 日本製のモーターサイクルが進出し、英国バイク業界は不況に
陥って、遂に グループはバイク生産から撤退し、この頃が アリエル・バイクの最後と
なってしまった。 残念なことではある。

さて、ここで 筆者は考えた。
現在のアリエル(Ariel Motor Company Ltd. )は、昔 バイクを造っていた アリエル社
Ariel Motors ) とは関係ないとされている。 でも、非常に良く似た会社名だ。
さらに、現在 Atom を造っている社長の Simon Saunders だが、
1930年代の 上記 Jack Sangster に 名字の語呂が似てませんか !?
Saunders Sangster だ ! 

そして、そして、Sangster は Ariel Square Four を造っていたし、
今回 Saunders の造る "Ace " も 4気筒だ。

さあ、謎は解けたかも知れない。
現在のアリエル社は、昔のアリエルとは 何の脈絡は無いと言われているが、
確かに、両者の間には 法的な繋がりは無さそうだ。
でも、昔の社名といい、現社長の名前といい、妙に似ているではないか !!

しかも、昔のアリエル・バイクは、ガーター・フォークを テレスコピックに変更しており、
今回の "Ace " も、この2種類のフォークが 選べるようになっている。
また、昔の Square Four も 今回の "Ace " も、どちらも 4気筒だ。
昔の会社は、一時期だが 4輪も生産していた。

以上が "正解 " じゃぁ ないだろうか !?
Atom の社長 Saunders は、やはり昔の事に こだわって いるのだ。
よ~し、今度会ったら 直接本人に訊いてみよう !

Saunders は、1991年に 自社を Solocrest Ltd として創業し、2001年に 現在の
Ariel Motor Company Ltd. に社名変更している。
彼が 何故 "Ariel " の名を名乗ったのか、明らかになることだろう !!

今回の "Ace " は、Saunders の 強烈な思い入れで出来上がったものであろう。
彼は 今からちょうど3年前に、この企画を立案していた。
その時点でオプション選択の件も考えていたし、そもそも バイクを造ろうという話は
更に遡(さかのぼ)ること4年、つまり この10年近く、彼の頭の中は バイクの事が
片ときも離れなかったに違いない。 当ブログでも、その頃から アリエル・バイクの事は
気になっていたのである ! (目の付けどころが 違うでしょッ !! )
Saunders は、昔のアリエルを蘇生させる事を考えているのだ。

いゃ~、ここまで考えるのは 大変だった !!
勝手に納得しているが、当たらずとも遠からずだろう。  ........ ね !?