2015年9月26日土曜日

"The terrible Mistakes of a few People, ..... !? "


フォルクス・ワーゲンは ここ一週間、前代未聞のひどい状況に陥っている。

事の発端は 米 West Virginia 大学(WVU)の ある調査からだった。
ヨーロッ車の環境性能の優秀さを確認すべく、某NPO の依頼で、BMW X5、ジェッタ、パサートを
路上走行させることにより、実態に則したデータの収集を試みたところ、開けてビックリ、
VW2車のNOx が基準値の20~35倍に達したとの結果を得てしまった。

WVU が昨年5月に これを公表したことで、米環境保護局(EPA)も独自の調査を開始、
これに基づいて VW を追求した。
VW は EPA に対し "釈明"(言い逃れ)を繰り返したが、EPA が米国内での型式承認を保留する
旨を伝えたところ、検査の際にだけ 排ガスが規定値内に収まる様なソフトを搭載していたことを
(苦し紛れに)認めたものだ。

これ等は本来、米国内での問題として 対象車種は50万台規模と言われていたが、
その後 VW は、不正ソフトを搭載した車は 2008年から2016年までに販売した中で、
全世界で1100万台を超えると公表した。  尚、これに該当する車種と型式の詳細については
未だ正確な内容は発表されてない。

アメリカ当局は この顛末を刑事事件として受け止め、捜査を開始したと伝えられる。
この結果次第では、EPA は 最大 約180億ドル(2兆1600億円超)の制裁金の支払いを
VW に求めるとし、米国内では 今のところ Golf、Passat、Beetle、Jetta、
また VWグループのAudi A3 が対象となるという。
さらに ドイツを含む ヨーロッパのほぼ全域でも、対象車種は相当な数に上る模様だ。

VW 側も、米国内を含む世界的に対象となる車輛の "不正ソフト" の改修費用として、
65億ユーロを計上すると発表、ドイツの運輸当局も厳密な再検査を行うとした。
Passat が該当する下記のオフィシャル・サイトは、現在消去されたままだ。

Volkswagen Group CEO Martin Winterkorn

これ等の現状を鑑み、Volkswagen AG のCEO・Martin Winterkorn は、
23日、彼自らの決断で 辞任を表明した。

Winterkorn の後任には、VW 傘下の Porsche の CEO・Matthias Muller が、
VW Group の新たな CEO として着任することに為った。
尚、Muller の後任、ポルシェの新社長には、Oliver Blume が就く。

New VW CEO Matthias Mueller


以下の写真は、この3月に Jeneva(ジュネーブ)Motorshow のプレスデーの前日、
同じ会場内で開かれた "Europa Car of The Year" の現場で、私が撮影したものだ。
VW Passat がその栄誉に輝いた瞬間、Winterkorn は 私の目の前で 満面の笑みを浮べながら
会場の聴衆に応じ、記者やカメラマンの取材の列に答えた。

しかし、その僅か半年後に この事態だ。
5年以上前に蒔かれた不吉な種は、この時 芽を出して 間もなく花開こうとしていたのだ。
私だって これを観ながら、彼が まさか失脚するなんて 想いもよらなかった。
世の中の災いは いつ、どこから降りかかるか解からない。

Click to enlarge as follows ↓
Winterkorn in this Geneva


Clean Diesel !?

この事態を収束させるには、相当な努力と時間が必要だ。 それは計り知れない。
巷(ちまた)の町工場がやったのとは ワケが違う。
VWの あらゆる関連事業者やユーザーに対して、降りかかる火の粉は拭い切れるものではない。

世界の自動車業界にとっても 正に青天の霹靂で、その影響は想像も及ばないものとなろう。