ここで 何も発せずに静観するのは 甚だ忍びないので、一こと言っておく。
イスラム国、 彼らのやっていることは 論外だろう。
しかし、今日この時点で、"強い憤りを感じる" とか、信じがたい悪行だと 言ってる場合じゃない。
そんなことは百も承知であるが、あと僅か9時間足らずしかない中で、日本政府とヨルダンは、
何をなすべきかは さほど難しいことではない。
後藤氏も言っている(言わされている)通り、話は 単純だ。
彼らの要求は後藤氏と女死刑囚の交換である。その理由が何かは今詮索している場合じゃない。
これが実現しない限り、彼らは まず、日没までにパイロットを殺害するとハッキリ言ってる。
ヨルダンが主張する様に、パイロットの交換が最優先という判断は、
今は間違いだ。
自分たちの体裁なんか、考えている時ではない。
ヨルダン国民の心情は重々理解できるが、今はイスラム国が何を考えて どう行動するかを
考えれば、私は一目瞭然だと思う。 女死刑囚とパイロットの重さは、彼らにとって全然違う。
同等のカードだと考えてはイケない。 時間内に躊躇なくパイロットを殺すだろう。
事実、湯川氏はその通りに殺害された。
そして、彼らは人質の殺害になんの躊躇(ためらい)いもないはずだ。
今、パイロットが殺されたら、ヨルダン国民は どう納得するのか ? でもこのままでは殺される。
今、主導権は彼らが握っているのである。 鬼ごっこをやっているワケではない。
今、そんな悠長な時間は無い。 何が優先かなんて言っている場合じゃない !
そこんとこを ヨルダン政府はよく考えなくてないけない。 殺されてしまったら、
優先もヘったくりもないじゃないか ! 優先すべきは、絶対に二人が殺されない事だ。
その為には どうしたらいいかで、さほど難しいことではない。
だから まず、一対一の交換を確実に終了させる。 その後、パイロットの解放は全く別の
カードで交渉すべきで、その順番を間違えると、二人が殺されて 話が終わってしまうだけだ。
本当は イスラム国は、後藤氏を殺したくはないのだ。 彼らは 後藤氏がどんな人間であるかを
よく理解していると思う。 彼らにとって 決して有害な人間ではない。
むしろ、後藤氏まで殺してしまう デメリットは それによって自分たちが被る世間の非難は
計り知れない。
一方、パイロットの殺害は 何の躊躇もないだろう。 だって、このパイロットの目的は、
空爆して甚大な被害を彼らに与えることにあり、憎っくき とんでもない野郎だからだ。
後藤氏が、彼らの女子供に対しても、優劣なく優しく接していたのは容易に想像できる。
その辺を彼らはよ~く判っているハズである。
この様な経緯について なぜ日本のメディアは一言もコメントせず、日本政府は何故ストレート
に、この流れをヨルダンに お願いしないのだろうか。 私には 理解しがたい。
もちろん、水面下では、様々な手立てはしているだろう。 だから言葉を濁しているのか。
でも、後藤氏と一対一の交換は 最優先でやるべきである。
この順番を間違えてはいけない。
彼らは 二対一の交換なんかには 応じない。 絶対に。
でないと、彼らは 今日の日没までに、まずパイロットを殺害するに違いない。 何の躊躇もなく。
ヨルダンは パイロットを殺されては、ものすごく困るハズだ。
何度でも言う、 ヨルダン政府は この順序を間違えてはいけない。
これを勘違いすると、ヨルダンにとって 最悪の事態になるだろう。 もちろん日本にとっても。
そして、結果的に 二人が生き延びれば、それが最良の結果であるに違いないのだから。
よ~く考えた方がいい !! 時間は もう無い !