この6月に解任された グループ・ロータスの元 CEO / Dany Bahar は、
ロータスとDRB-Hicom を相手に 不当解雇であるとし、670万ポンドの損害賠償を起こし、
DRB は、先週木曜日にDRB の英国サイドの弁護士がこの通達を受けている旨、
昨日、クアラルンプール証券取引所を通じて公表した。
これに対し DRB とロータスは、反訴することも含めて必要な措置を講じていくと述べた。
一昨日 午前中の時点で、DRB の株式は 0.4%下落したが、
この件によるものかどうかは微妙だ。
DRB は同日、不調のロータスを抱えたプロトンを本年初めに買収したことにより、
今年最初の四半期の収益は、64%減少したと発表している。
しかし この事は、買収するにあたって予想されていたことであろうし、
この当然の減少を含めた結果の 0.4%だけの下落だろう。
ロータスは、昨年3月期での販売台数は、僅か1985台にとどまり、
Bahar は これを何とかしなければと考えるのも、無理からぬところだ。
まさに 彼としては、起死回生の大風呂敷を広げたワケで、一気に5台ものコンセプト・カー
を発表したり、カートやラリーまで含めたあらゆるレースシーンの展開を開始した。
また、中国や中東を含めた今後も有望とされる地域に対しては、自ら陣頭指揮で、
その開拓を目論んでいた。
そんな中で Bahar は、見た目に派手なパフォーマンスをしたり、かなり細かいところにまで、
気を使った数々のプロモーションを実行している。
これらは、今迄のロータスには無かった動きで、彼の肩を持つわけではないが、
彼にしか出来なかった事であるのも事実だ。
その為に、即、目に見えた効果は出ないまでも、ロータスの存在感と商品イメージの
向上に繋がったのは間違いない。
これらすべてを含めたものが、Bahar にしてみれば 必要経費だ、というのが彼の主張だろう。
ここしばらくロータスは DRB の目の届く範囲で、財政的には "健全な" 運営がなされて
行くだろうが、ロータス自身も 地味な発展しか期待できないであろう。
しかも、それが順調に推移すればいいが、そのうちジワジワとイメージ・ダウンしないとも
限らない。 もしくは、目立たない存在になってしまうだろう。
これを見て、ケーターハムを買い取った Tony Fernandes は、虎視眈々に違いない。
DRB は、大金を叩いてでも、せめて V8の自社開発くらいは やらせるべきだ。
いつまでも 他所のエンジンを使っているようでは、それ以上のメーカーには成り得ない。
エンジンを自前で用意できる、出来ないは ひとつのガイド・ラインであり、
その会社の位置づけを示すものである。
少しくらいのムリをしてでも、一線を越えない限りは 会社の発展は在り得ない。
今回は、DRB が助け舟を出してはいるが、多分、GENII はこれを静観している。
場合によっては、GENII がロータスを買収した方が、よりアグレッシブな展開を
していったであろう。 そのくらいのカネは、GENII は持っている。
残念ながら、今の日本の国力とセンスでは、これらの戦線に加わることは出来ないし、
我々も 傍観するしかない。 しばらくは、トヨタが ロータスのエンジンを供給していく
ことになる。
さあ、どうなる、...... Lotus。 どうする、DRB !?