[GT40 / #GT108]
先ずは この Video を観てみよう。
https://www.youtube.com/watch?v=hzOZyqXI6HY
そして Ford GT40 "Chassis No. GT108" は、先週金曜日(15日)、
Monterey Bay のPortola Hotel & Spa で行われた RM Auctions に於いて
Lot #134 で出品され、$6.9 million (約7億1300万円) で落札された。
(誰だ、買ったのは !? )
"GT108" は当時、LA の Shelby American に送られ、Ken Miles らの手によって
Track Test に使用され、オフィシャルなレースは経験していない。
エンジンは ウェーバー仕様の 289 Cobra が積まれ、Colotti のT37 四速ミッション
(ノン・シンクロ)を装備する。 レッド・ゾーンは 6500rpm だった。
Watkins Glen のUS GP に姿を現した以降、数年間はレース以外の場で使われたり、
レースのペース・カーとしても使われたことがある。
後に売却され、何人かの(?)オーナーが引き継いで ヴィンテージ・レースやショーに
登場していた。
ROAD & RIDES Los Angeles Times Hemmings # GT111
さて、以下は余談である !!
昔(! ) 知人から、60年代後半にル・マンを走ったことがある GT40 が売りに出てるが、
買っといたほうがいいよ と言われ、値段を訊くと 一億5千万円らしいと。
そして 前後して訪れたラグナ・セカで視かけた #1033 が 8千万円と聞き、3日3晩、
殆んど寝ずに考えた末、断念した覚えがある。
(無理を承知で考えていた。 全くアテのないカネだったが。)
でも、買っときゃよかった。 この世に現存する GT40 は、多分100台ちょっとで、
オリジナル GT40 の価格は下がるどころか うなぎ登りだ。
当時買っとけば 数億円の差額が手元に残っただろう。
別に 儲ける為に買うのではないが、でも、そういう族(やから)もいるか。
GT40 はプロトタイプを含めて、英国の Ford Advanced Vehicles が造った
オリジナルの GT40 は133台で、最終のシャシー番号は、GT40P/1086 である。
そのうち 最初の # GT101~112 がプロトタイプとされ、その中の 108~111(112)
までの4台(5台)が、今回のオークションの #108 を含めた 同じ Roadster のタイプ
であった。但し、4台のフォルムは 少しづつ異なる。
(注; GT112 は、当初 Roadsterだったが、別のオーナーの手で Coupe に改装され、
さらに次のオーナーがロードスターに戻した可能性がある。)
プロトタイプ以降の番号表示は、"GT40P/1000" が最初で、以後その番号から続く。
これ以外にも、"J 1~J12" のいわゆる "J Car" や "Mirage M1 " などがある。
そして オリジナルの生産終了後 約10年を経って、英国の Peter Thorp が率いる
Safir Engineering (Byfleet / Surrey)がフォードから版権を得て、
オリジナルからの続き番号で 約40台のGT40 を生産している。
http://britishgreenyokohama.blogspot.jp/2010/08/blog-post_3047.html
尚、3台分のシャシー番号はキープされていた為、Safir のGT40 は、
GT40P/1090 から始まっていた。(GT40P/1108~1114 を除く)
Safir GT40 の最終は GT40P/1145 である。
オリジナルを含め ここまでは、GT40 のエキスパートである Ronnie Spain の著書、
"GT40, An Individual History and Race Record" に詳しく、
各車ごとに その履歴が記載されている。 [at Monza with Gulf Racing Livery]
オリジナルと同じ表記の "GT40P/××××" を持ち、"Mark Ⅴ" の名を持つ
Safir のGT40 は、ロニー・スペインも認める 公式の GT40 として、
GT40 を崇拝する者にとっては、オリジナル・カーと同等に考えられているものだ。
その中には、オリジナルには無かったアルミ・モノコック(本物は鋼板モノコック)を
持つ 超軽量GT40 で、#1133 を含む3台(2台 ?)が製造されているが、
これらが 今どこにあるのかは知らない。
当時、ウチにもオファーがあった。 多分 日本円で5千万円を超えていたと思う。
何年頃だったか忘れたが、私は Safir Engineering の工房(まるで 古い馬小屋
の様な佇まい)を訪れ、わずか2台分位のスペースで 数千万円もする GT40 が
造られていたことに 驚愕した覚えがある。(多分、年に2~3台。 新車だ ! )
それとは別に、同じ屋根の下の もう少し広いスペースで、普段は古いヴィンテージ
のジャガーやアストンマーチンのレストア作業等をしていた様だ。
工房は 狭い路地を20メーターほど入った奥に在って、案内されなければ
全く判らないような場所である。 その後 私は、Thorp の自宅も訪問している。
イギリスを侮(あなど)ってはいけない。 奥は深い !!
でも 面白かったのは、私をロンドン市内まで送ってくれることになり、
彼の普段の足となっている 古いフォードのセダンだったか、
出かけようとしたがエンジンがかからず、彼は おもむろにボンネットを開け、
車庫にあった鉄パイプで、スターターの頭を何度か小突いたところ、
見事にエンジンは復活した。
あれだけの車を造っているヒトの日常は、こんなもんです ! イギリスは愉快だ。
尚 Thorp は98年、アメリカのオハイオ州 Milford 郊外で業を営むBob Wood、
Brady Pack、John Sadler のグループに対し GT40 Mark Ⅴの版権を売却した。
Thorp は、残っていたパーツの全てとボディーの型、部品の金型、製造に関する事
を記載した書類などを引き渡している。 当時、私宛てにも Thorp から連絡があり、
この経緯を知り得たものだ。 今後は クルマ本体や部品が彼らから供給される事を。
以後、オハイオの3人は "Safir GT40 Spares, Limited" を名乗る。
そして彼らは、オリジナルの MarkⅠ~Ⅲ 及び Ⅴ のオーナーらに向けて、
マグネシュームやアルミのキャスト・パーツ、グラスファイバーやカーボンの
ボディー・パーツ、プレキシ・グラスや足廻りの部品等のリリースを開始した。
彼らは David Brown からシャシーの供給を受け、"GT40P/1149" から始まる
シャシー番号を付して、完成車としての GT40 も段取りしているから、
Safir と同等のクォリティーを持つGT40 の入手が可能かも知れない。
但し 近況は訪ねた事がない。
さらに彼らは、2006年、Superformance 社に対し、ライセンスを与え、
同社の製造する GT40 レプリカは、"GT40P/××××" のシリアルを付随できる
ことになり、正統な "Continuation Car" としての地位を確立している。
http://britishgreenyokohama.blogspot.jp/2011/03/posted-by-picasa_8789.html
Ford Cobra とGT40 のレプリカを製造するメーカーは 多数存在するが、
Superformance のクルマは 他のレプリカとは一線を画す、非常にグレードの
高いものである。
GT40 は これからも その歴史の軌跡を、様々なカタチで継続していくことだろう。
興味は尽きない !
先ずは この Video を観てみよう。
https://www.youtube.com/watch?v=hzOZyqXI6HY
そして Ford GT40 "Chassis No. GT108" は、先週金曜日(15日)、
Monterey Bay のPortola Hotel & Spa で行われた RM Auctions に於いて
Lot #134 で出品され、$6.9 million (約7億1300万円) で落札された。
(誰だ、買ったのは !? )
"GT108" は当時、LA の Shelby American に送られ、Ken Miles らの手によって
Track Test に使用され、オフィシャルなレースは経験していない。
エンジンは ウェーバー仕様の 289 Cobra が積まれ、Colotti のT37 四速ミッション
(ノン・シンクロ)を装備する。 レッド・ゾーンは 6500rpm だった。
Watkins Glen のUS GP に姿を現した以降、数年間はレース以外の場で使われたり、
レースのペース・カーとしても使われたことがある。
後に売却され、何人かの(?)オーナーが引き継いで ヴィンテージ・レースやショーに
登場していた。
ROAD & RIDES Los Angeles Times Hemmings # GT111
さて、以下は余談である !!
昔(! ) 知人から、60年代後半にル・マンを走ったことがある GT40 が売りに出てるが、
買っといたほうがいいよ と言われ、値段を訊くと 一億5千万円らしいと。
そして 前後して訪れたラグナ・セカで視かけた #1033 が 8千万円と聞き、3日3晩、
殆んど寝ずに考えた末、断念した覚えがある。
(無理を承知で考えていた。 全くアテのないカネだったが。)
でも、買っときゃよかった。 この世に現存する GT40 は、多分100台ちょっとで、
オリジナル GT40 の価格は下がるどころか うなぎ登りだ。
当時買っとけば 数億円の差額が手元に残っただろう。
別に 儲ける為に買うのではないが、でも、そういう族(やから)もいるか。
GT40 はプロトタイプを含めて、英国の Ford Advanced Vehicles が造った
オリジナルの GT40 は133台で、最終のシャシー番号は、GT40P/1086 である。
そのうち 最初の # GT101~112 がプロトタイプとされ、その中の 108~111(112)
までの4台(5台)が、今回のオークションの #108 を含めた 同じ Roadster のタイプ
であった。但し、4台のフォルムは 少しづつ異なる。
(注; GT112 は、当初 Roadsterだったが、別のオーナーの手で Coupe に改装され、
さらに次のオーナーがロードスターに戻した可能性がある。)
プロトタイプ以降の番号表示は、"GT40P/1000" が最初で、以後その番号から続く。
これ以外にも、"J 1~J12" のいわゆる "J Car" や "Mirage M1 " などがある。
Le Mans 24H の優勝をはじめ、実際のレース・シーンでは Shelby American
を筆頭に、Holman Moody や Alan Mann Racing らの著名なコンストラクターが
を筆頭に、Holman Moody や Alan Mann Racing らの著名なコンストラクターが
Ford GT で数々の戦績を上げることになる。
それらは 我々の脳裏に焼きつき、永遠に消え去ることはない。
それらは 我々の脳裏に焼きつき、永遠に消え去ることはない。
そして オリジナルの生産終了後 約10年を経って、英国の Peter Thorp が率いる
Safir Engineering (Byfleet / Surrey)がフォードから版権を得て、
オリジナルからの続き番号で 約40台のGT40 を生産している。
http://britishgreenyokohama.blogspot.jp/2010/08/blog-post_3047.html
尚、3台分のシャシー番号はキープされていた為、Safir のGT40 は、
GT40P/1090 から始まっていた。(GT40P/1108~1114 を除く)
Safir GT40 の最終は GT40P/1145 である。
オリジナルを含め ここまでは、GT40 のエキスパートである Ronnie Spain の著書、
"GT40, An Individual History and Race Record" に詳しく、
各車ごとに その履歴が記載されている。 [at Monza with Gulf Racing Livery]
オリジナルと同じ表記の "GT40P/××××" を持ち、"Mark Ⅴ" の名を持つ
Safir のGT40 は、ロニー・スペインも認める 公式の GT40 として、
GT40 を崇拝する者にとっては、オリジナル・カーと同等に考えられているものだ。
その中には、オリジナルには無かったアルミ・モノコック(本物は鋼板モノコック)を
持つ 超軽量GT40 で、#1133 を含む3台(2台 ?)が製造されているが、
これらが 今どこにあるのかは知らない。
当時、ウチにもオファーがあった。 多分 日本円で5千万円を超えていたと思う。
[# 1133 / hemmings.com]
ここで、# P/1133 について、少し述べる。
2台(3台 ? )だけ創られた Bonded Aliminurm Chassis に Ford 302 /425bhp
(Dyno sheet of Mathwall Engineering)を搭載、全体で わずか870Kg の車重
に収め、80年から81年にかけて 1台は Roadster に、
もう一台は この # 1133 に仕上げられた。 足には BRM Wheel を履く。
当初は Peter Thorp のプライベート・カーとされていたものだ。
(Dyno sheet of Mathwall Engineering)を搭載、全体で わずか870Kg の車重
に収め、80年から81年にかけて 1台は Roadster に、
もう一台は この # 1133 に仕上げられた。 足には BRM Wheel を履く。
当初は Peter Thorp のプライベート・カーとされていたものだ。
何年頃だったか忘れたが、私は Safir Engineering の工房(まるで 古い馬小屋
の様な佇まい)を訪れ、わずか2台分位のスペースで 数千万円もする GT40 が
造られていたことに 驚愕した覚えがある。(多分、年に2~3台。 新車だ ! )
それとは別に、同じ屋根の下の もう少し広いスペースで、普段は古いヴィンテージ
のジャガーやアストンマーチンのレストア作業等をしていた様だ。
工房は 狭い路地を20メーターほど入った奥に在って、案内されなければ
全く判らないような場所である。 その後 私は、Thorp の自宅も訪問している。
イギリスを侮(あなど)ってはいけない。 奥は深い !!
でも 面白かったのは、私をロンドン市内まで送ってくれることになり、
彼の普段の足となっている 古いフォードのセダンだったか、
出かけようとしたがエンジンがかからず、彼は おもむろにボンネットを開け、
車庫にあった鉄パイプで、スターターの頭を何度か小突いたところ、
見事にエンジンは復活した。
あれだけの車を造っているヒトの日常は、こんなもんです ! イギリスは愉快だ。
尚 Thorp は98年、アメリカのオハイオ州 Milford 郊外で業を営むBob Wood、
Brady Pack、John Sadler のグループに対し GT40 Mark Ⅴの版権を売却した。
Thorp は、残っていたパーツの全てとボディーの型、部品の金型、製造に関する事
を記載した書類などを引き渡している。 当時、私宛てにも Thorp から連絡があり、
この経緯を知り得たものだ。 今後は クルマ本体や部品が彼らから供給される事を。
以後、オハイオの3人は "Safir GT40 Spares, Limited" を名乗る。
そして彼らは、オリジナルの MarkⅠ~Ⅲ 及び Ⅴ のオーナーらに向けて、
マグネシュームやアルミのキャスト・パーツ、グラスファイバーやカーボンの
ボディー・パーツ、プレキシ・グラスや足廻りの部品等のリリースを開始した。
彼らは David Brown からシャシーの供給を受け、"GT40P/1149" から始まる
シャシー番号を付して、完成車としての GT40 も段取りしているから、
Safir と同等のクォリティーを持つGT40 の入手が可能かも知れない。
但し 近況は訪ねた事がない。
さらに彼らは、2006年、Superformance 社に対し、ライセンスを与え、
同社の製造する GT40 レプリカは、"GT40P/××××" のシリアルを付随できる
ことになり、正統な "Continuation Car" としての地位を確立している。
http://britishgreenyokohama.blogspot.jp/2011/03/posted-by-picasa_8789.html
Ford Cobra とGT40 のレプリカを製造するメーカーは 多数存在するが、
Superformance のクルマは 他のレプリカとは一線を画す、非常にグレードの
高いものである。
GT40 は これからも その歴史の軌跡を、様々なカタチで継続していくことだろう。
興味は尽きない !