2014年11月15日土曜日

Saturday Music, Endless River / Pink Floyd




Pink Floyd は 今週、20年ぶりのスタジオ・アルバム、"Endless River "
をリリースした。  2008年に亡くなった Richard Wright へのトリビュートである。
そして ピンク・フロイドとしては、これが最後のアルバムになるという。
David Gilmour は、"この次はない ! " と言っている。  [Album Special Sight]
[Gilmour & Mason explain their Music]
[Memorial to Richard Wright]

"Endless River " は、アルバム全体が4つのテーマに分かれており、幻想的で
インストゥルメンタルな曲が中心となって構成される。
アルバム・ジャケットとなった "雲の河に漕ぎ出して行く男の姿" のコンセプトは、
18歳のエジプト人のデジタル・アーティスト、Ahmed Emad Eldin の作品をもとに、
英国のデザイン事務所 "Stylorouge" の手で仕上げられ、
London の South Bank には、8メートルを越す大型のオブジェが設置された。
世界10都市でも様々な形で プロモーションが行われている。
日本では 渋谷の街に、大型のトラックに設置した "移動看板" がお目見えした。

[Endless River / Full Album 57:27]
                                              
peru21.pe

ピンク・フロイドは、当初 65年に Roger Waters(g, voval)Richard Wright(keyboad)、
Nick Mason(ds) の他に3人を加えた "シグマ6" の名でスタート、どちらかというと
サイケデリックなロックをメインにしたが、バンド名は2転 3転し、その後 Syd Barrett
加入して "Pink Floyd Sound" に名前を変更、それから間もなく 現在の "Pink Floyd "
に落ち着いている。   [with Syd Barrett 66-67 / 29:43]

Barrett をリーダーとして始動したが、68年頃に 彼は LSD の過剰摂取でリタイア、
前後して David Gilmour(g, vocal) が加入、やがて Waters を中心にサイケデリックから
脱却し、独創的で音楽性の高い曲の構成で、ロックではあるが インストゥルメンタル調の
曲想を掲げて、現在のピンク・フロイドの礎(いしづえ)を築いていく。
                                                       
Pink Floyd Mulling More Reissues After Expanded 'Wall' Releases
billboard.com
                                                
71年には 日本に初来日、箱根の野外フェス、"アフロディーテ" のトリを務め、
夕暮れの霧が立ち込める中、幻想的なライブで観客を魅了した。

尚、85年頃には WatersGilmour が 方向性の違いから対立、
同年末に Waters が脱退し、ピンク・フロイドは ギルモアの時代に入っていく。
しかし その後、二人の仲は徐々に修復され、2005年、
アフリカ難民の撲滅キャンペーン、2005年7月2日の "Live 8 " で Waters が
復活、バンドは 同年、イギリスに於ける ロックの殿堂入りを果たした。
[Live 8 / 2005,  23:58]

これまでに ピンク・フロイド は、全世界で2億5千万枚のアルバム売上を計上し、
プログレ・ロックの先鋒と言われながらも、彼らが創りだす幻想的なサウンドは、
緊張感の中に 倦怠感や浮遊感を絡めて、独自性を持った革新的なものとなり、
押しも押されぬ 英国を代表するバンドに成長して、その勢いは衰えることがない。
[the Legends are continued / 59:14]

ところで 余談だが、ドラマーの Nick Mason は かなりのクルマ好きエンスーで、
フェラーリのコレクターでもあり、ビルヌーヴのF1も所有している。
自身もサーキットに出向き Le Mans 24H に出場、79年に18位、80年には
22位で完走、83年は 日本の童夢 ・RC82 のドライバーも務めたりしている。

Gilmour & Mason
Pink Floyd in 2014
                                                 
そして 今回の "Endless River" 「邦題永遠(TOWA)」 は、
UKAmazon 史上最高の予約枚数となり、昨年の One Direction の記録を上回った。
アルバムは 英国で 今週初め(10日・月曜日)にリリースされ、
日本では 19日(来週水曜日)に ソニー・ミュージックから発売が開始される。
http://www.sonymusic.co.jp/artist/PinkFloyd/

また、本国の公式サイトには、180g の重量盤LP レコード ・2枚組の案内もあるが、
日本での LPの発売については 未確認だ。
http://www.pinkfloyd.com/theendlessriver/double_vinyl
http://www.youtube.com/watch?v=l8OpEqCP15w (Include Double Vinyl)

更に 近年、LP レコードの良さが再認識されている。
LP盤には、人間が認識するに足る 十分な情報量が収録されており、それを再生する為の
オーディオとして、高級な真空管アンプやLPプレーヤーが全盛を迎えている。
それらの機器で再生される音は、身震いするほどの臨場感を表現する事が出来るが、
スピーカーを含めたワン・セットで 50万円以上~数百万円(上はキリがない)位の
"設備投資" が必要ではある。(最低でも30万円は使って下さいネ ! )

でも、クルマと比べたら車検も無いし、自動車税や重量税、自賠の費用も必要ないから、
考えようによっては 一生もので、"安い買い物" かも知れない。
クルマ同様、いい趣味となるのは 間違いない。 LP を見直すべし !


さて、次のビデオは 無声映画である "Metropolis" に、ピンク・フロイドの曲をシンクロ
させたものである。 話題の映画だけに 興味深いので、掲載する。
[ Extra ; Metropolis (Full Movie) synchronized Pink Floyd Music / 2:13:17]
(このビデオの出典に関しては、詳しい検証はしておりません。 あしからず。)



           "Metropolis" は、1927年、Fritz Lang 監督のもと、ドイツで公開された映画であるが、
           字幕だけが添えられたモノクロ無声映画で、SF映画黎明期の傑作といわれる。
           ドイツのヴァイマル共和政の時期に制作されたもので、資本主義と共産主義の対立を
           描いた作品とされる。 Lang は、自分が訪れたことのある 大都会ニューヨークに感嘆し、
           自身の映画のモチーフとして描いたものといわれる。
                                                                                                                                              
           26年10月に完成し 翌年公開されたオリジナル・ムービーは、3時間半を2部に分けた
           長編映画の大作だったが、その後 興行的に幾度となく編集、改訂され、
           様々なバージョンが存在するが、それらの作品は一本化され、2時間前後のフィルムと
           なっている。

           映画の中に女性のアンドロイドが登場するが、この映画から遡ること40年前の1886年、
           仏の Angust Villiers de lIsle-adam の書いた小説 "L'Eve Future"(未来のイヴ)の中で、
           発明王エジソンが 女性型Andreide(アンドロイド)を制作するという件りが書かれている。
           もちろんフィクションだが、これが当時(日本はまだ 明治19年)、アンドロイドという概念
           を初めて記載したものである。
           映画 "Metropolis" のアンドロイドは、ここからインスパイアされたと、私は想像している。
           エジソンは晩年、死後の世界の魂と通信する装置を 本気で研究していたらしい。
                                                                 
            さて、"Metropolis" はイギリスでも当時 劇場公開され、会場では"Metropolis Magazine" 
           と題するパンフレット販売、この時は 映画の完全版を公開していたのかも知れない。
                                                                 
            84年に日本でも公開されたジョルジオ・モロダー版は、主にアメリカで活躍している
           イタリア生まれの音楽プロデューサー・作曲家である Giorgio Moroder が、
           自ら蒐集したフィルムを再編集し、一部カラー化して 自身のプロデュースでロック系の
           サウンドトラックを付け加え、90分ほどにまとめ上げて 映画として公開したものである。
                                                                
           その内容には、Freddie MercuryBonnie Tyler らの曲が収録されている。
           当時 CBS SONY が、LP(# ・LP28AP2910) とCD(# ・CD35DP175)、
           カセット(# ・CA28KP1160)を発売した。
           Moroder は映画 "Flashdance""Top Gun""Neverending Story" 等に曲を振り付け、
           日本でもよく知られる存在である。
                                                                 
           ところで モロダーは、ランボルギーニにいた Claudio Zampolli が、自身のイニシャルを
           銘名して モデナで創設したスーパー・カー・ブランド、 "Ci ・Zeta" の共同出資者となり、
           Gandini のデザインで V16Twin を搭載し、88年のジュネーブ・ショーに登場させた。
           91年には市販を開始したが、 僅か15台が生産されただけで会社は倒産するに至り、
           前後してモロダーも "チ ・ゼータ " から手を引いている。
                                                                 
           [Source, Wikipedia]

さて、下記は 「Pink Floyd Recommendation Videos」 私のおススメ  !!  as follows

"Atom Heart Mother" / 23:44
                                                    
"P・U・L・S・E,  Live at Earls Court 1994" / 2:24:07
(これは 日本でも販売されていた輸入盤のDVD2枚組の内容とは 微妙に違う。
 さらに、この2つとは僅かに違う内容のDVD のコピーを観たことがある。
 実は、これが一番良かった。 日本盤のDVD が有ったのだろうか。 未確認だ。)