Porsche の南アフリカ・ディビジョンは先週のオークションで、ヨハネスブルグ郊外にある
Kyalami Grand Prix Circuit を落札している。サーキットは標高1520mの高地にある。
昔(! ) 南アフリカ GP は、62年、63年及び65年に、東ケープ州の港町 East London の
Prince George Circuit で開催され、その後 Kyalami で 1967~85年までの約20年
近くにわたって F1グランプリが行われていた。
そして 例のアパルトヘイト問題で中断されるも 92年に復帰、93年も開催されたが、
残念ながら それが南アGPの最後の開催となった。
余談だが、62年に南アGP が初開催された同じ年、日本では 本田宗一郎の発案で、
鈴鹿サーキットが自社で建設され、翌年5月には第一回日本グランプリが開催されている。
日本で F1GP が初めて開催されたのは キャラミから遅れること約10年後の1976年だ。
但し 2年間で すぐに中断され、本格的に毎年開催されるようになったのは
87年のSuzuka からで、キャラミの初開催から20年後のことであった。
現在でも そうだが、日本(人)は もっと、世界と日本の差を 正しく認識すべきだ !
南アには 1999年から オーバル・コースも併せ持つ Phakisa Freeway(Circuit)
もあり、2004年まではMoto GP も開催されるなど、イギリス連邦の一員であるためか、
南アは モータースポーツに早くから関心の高い国である。
(尚 97年に中国に返還された香港は "租借地"であって、英連邦としての一員ではない。)
更に余談だが、日本初の高速道路である名神高速道路は、鈴鹿サーキットの建設時の
舗装工事を請け負った日本舗道㈱ (現Nippo)のサーキット舗装技術を参考にして
高速道路の舗装工事を行い、63年に 滋賀県の栗東~神戸・尼崎間で開通したものだ。
さて、Kyalami の話に戻る。
Porsche South Africa のCEO・Toby Venter は、オークションの開始後 僅か2分で
Kyalami Grand Prix Circuit を落札している。 買う気だったのだ。
[Porsche Johannesburg]
Porsche AG は 今のところ 具体的な思案は示していないが、サーキット施設の改修を
含めて、レース・トラックとして存続させる事を視野に入れているという。
南アの モータースポーツ・コミュニティーは、世界耐久のレース・シーンに返り咲く事を
目指し、昨年には "African 6 Hours " も開催、 更に来年度からは、
FIA WEC を含めて、年間3~4戦の耐久レースの開催を目論(もくろ)む。
我々としては、伝統ある Kyalami で 再び F1が開催される事を望んでやまない !
今回のポルシェの英断は、十分に評価されてよいものである。
[toilef1.com]