2012年7月14日土曜日

"The Lotus"


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今日は、Lotus の歴史を少しばかり 紐といてみることにしよう。
周知の通り、ロータスは 創業者であるコーリン・チャプマンと、
彼が行ってきた 数々のレース活動を抜きには語れない。
  
彼は、学生時代からアルバイトで 中古車の販売を手掛けていたが、
その売れ残りのオースチン・セブンに目を付け、レース用のクルマに
改装することにして、1948年には "草レース" に参戦し始めた。
後に妻となる ヘゼル・ウイリアムスの実家のガレージで、
これらの作業は 行われている。
更により強力なフォード・8 のエンジンを積むことを考え、49年に二台目
のクルマが出来あがり、これを "マーク2" と呼ぶことにしたが、
これで初めて、"Lotus" と名乗るようになった。
   
マーク2 は、更に フォード10 のエンジンに載せ替えられ、翌50年から
本格的にレースに出始め、何度か優勝する意外な結果を得て、
ロータスの名は広く知れ渡ることとなる。 その後も順調に勝ち進み、
52年に、ロンドン市内のHornsey、駅裏の馬小屋で会社として創業し始めた。
多分、Tottenham Lane が線路に隣接している辺りだろう。
昔 クラッシック・カーのイベントを見に行った事のある Alexandra Palace
すぐ近くだ。 その時は全く、"馬小屋" のことなんか気にも止めてなかったが。
   
余談だが、20年近く前、Ford GT40 の正当な後継である Safir Engineering
の、当時 数千万円もした GT40 の制作現場を見に行ったことがあるのだが、
そこは まさに表通りから奥に入った、馬小屋の様な古い煉瓦造りの片隅で、
ビックリした覚えがある。 まさか、と思ったものだ。
そんなところで とんでもないものを造っているイギリスは、本当に奥が深い !!

さて、ロータスの馬小屋は( ! ) 54年に株式会社に改められ、
この頃から 後にコスワースを立上げたMike Costin を迎え入れ、同年、
初の市販車となる マーク・6 が完成する。 "6" は安価で軽量な構造から、
サンデー・レースでも善戦し、55年に終了するまで 100台以上が販売された。

同年、"メーカー" として正式に自動車製造販売の組合にも加盟し、
マーク・10 から、56年には 我々にも馴染みの深い "Eleven" へと発展する。
イレブンは、そのシリーズ2 を含めて 270台あまりが生産された。
   
57年の アールズコートのモーターショーに、市販車としての "Seven"
また 当時としては画期的な FRPフルモノコックの "Elite"、
そして レース用には Fである "Type 12" の3台を 一気に発表し、
コベントリー・クライマックス・エンジンを搭載したエリートは 絶賛される。
タイプ12 は、ワークス・チームを組んで Fに本格参戦し、翌58年には
モナコGP にまで足を運ぶこととなった。
また同年、セブンとエリートの販売も開始される。
   
手狭になったロンドン市内の工場から、Cheshunt に拠点を移し、
あまりにも凝った構造で 生産性の悪いエリートの次期モデルとして、
60年から "Elan" の開発を急ぎ、62年のアールズ・コートで、
これまた画期的な 鋼板バックボーン・フレームを持つ "Type26・Elan"
を発表し 販売を開始、北米にも輸出されるようになり、
ロータスの名は、世界的に認知されることとなる。
     
エランの販売が順調に推移し、Cheshunt と Hornsey の施設だけでは手狭に
なった為、チャプマンは、Norwich 郊外のWymondham から A11 を挿んだ
反対側の Hehtel Wood 向いに、旧RAF の飛行場跡の土地の約半分を入手し、
テスト・コースとしても活用出来ることに目を付け、全てのファシリティーを
ここに集約した。 現在も 此処がグループ・ロータスの拠点となっている。
   
82年、チャプマンは当時の気苦労から心臓発作を起こし、54歳で永眠するが、
この辺からの説明も長くなるので、次回に割愛する。
その後ロータスは、レース活動を続けながら、66年に "Europa"
76年からは"Esprit"96年には 遂に"Elise" を発売し、
途中、紆余曲折しながらも、確固たる地位を築いた。
(実は、今でも紆余曲折している !
   
以下、参考となる動画を下記に列記するが、
これ以外にも、ロータスの歴史を示すものは多数有るので、またの機会とする。
各々は長いから、この週末、時間の許す方はご覧頂ければ幸いである。
   
今 我々は、クラッシック・ロータスを含めて、Seven、Elise、Exige、Evora 
に乗っているが、チャプマンを始めとする 長い苦節と栄光の後ろ盾があってこそ、
享受できる、体に浸みる入る時を過ごす事が出来る事を、充分に心すべきだ。
     
Lotus Digest
about Chapman 1、 2、 3、 4、 5。   Lotus Story 1、 2、 3、 4。
another Take / Lotus Story 1、 2、 3、 4。
Jim Clark 1、 2、 3、 4、 5、 6。    Lotus 38 / Jim Clark 
Golden Ages 1、 2、 3。   Lotus Photos / Goodwood 2012(S. Digest)